
高校の教師になりたいんだけど、教師ってやっぱりブラックなんですか?

教師の仕事はブラック化しやすいけど、高校教師は教師の業界の中では比較的マシな方だと思うよ!

小学校や中学校と比べてなにが違うんですか?

教師の人数が多いから仕事が分散されるってのが大きいね!
あとは進学校から学業不振校、工業化や商業化、定時制や通信制と、多様な学校があるから教師の求められる能力が変わってくることも大きいね。
この記事では、高校で教師として6年間正規教員として働いた経験のある僕が、高校教師のリアルな働き方や、他の校種との違いについてお伝えします。
高校教師として働きたい方や、教師として働いているものの現在の働き方に疑問を感じている現役教師の方に読んでもらえれば嬉しいです。
この記事を書いているモグモグ先生は、教員採用試験に3回合格して、3回退職した異色の経験をもつ元教師です。
中学校、高等学校、特別支援学校で合わせて13年間正規教員としての勤務経験があり、学校現場や校種の違いについて豊富な現場感覚をもっています。現在は教員を退職し、別業種で収入を得ています。
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高校教師のリアルな働き方や、仕事の特徴を個人的な経験からまとめました。
個人的には高校教師は生徒とのやりとりが面白いことが魅力なのはもちろん、教員の数も多いことから仕事が分散される傾向が強く、ブラック化しにくいように感じています。
とはいえ、高校は学業面では進学校から学業不振校、工業化や商業化など学科も様々、定時制や通信制もあって、赴任先の学校によって教師に求められる能力がかなり違っています。
赴任する学校によって、全く別の仕事になり得るのも特徴の1つですね。
- 一人当たりの仕事量はそこそこ
- 学校が閉まるので退勤時間が決まってることが多い(19時頃)
- 授業のコマ数もそこそこ
- 赴任する学校によって学校の色や生徒の特徴が全然違う
- テスト期間などは平日に有給をとりやすい
高校教師は、一人当たりの仕事量が他校種に比べて少なかったです。
理由は、中学校に比べると、教員数が多いことが原因です。
僕が勤めていた高等学校は1学年8クラスあって、教員が18人(8人の担任、8人の副担任、2人の学年付き)いました。
中学校は1学年3クラスの学校でしたが、1学年を5人の教員(3人の担任、1人の学年主任、1人の副担任)でもっていたんですよね。
教員の絶対数が少ないと、その分一人あたりの仕事量は多くなってしまって、校務分掌や部活動や学年で割り振られる仕事の負担が大きくなります。
後述しますが、授業のコマ数も高校は中学校に比べて1.4倍ほど少なく、体感的にも高校教師は仕事量が他の校種に比べて少なかったと感じています。

高校教師時代は仕事が忙しくて回らないということは少なかったな。
とはいえ、部活があって土日を休めることが少なかったけど…。
高校の教師は、退勤時間が決まっている学校が多いです。
理由は学校の施錠を代行員に依頼しているから。
セコムなどの機械警備を教師ではなく、代行員が行っているので、学校から出なければいけない時間が決まっていることも勤務時間の短縮に貢献している要因です。
ちなみに、中学や特別支援学校は施錠は教師がしているので、最悪何時まででも働くことができてしまいます…。

退勤時間が決まっているのは区切りになっていいね!
高校教師の授業のコマ数は週に16〜17時間程度でした。
ちなみに中学校は週に24時間くらいあったので、高校教師はかなり少ないと言えます。
授業のない時間は、教材研究や校務分掌にあてることができるため、単純に勤務時間を短くできますね。
ちなみに、教師は残業代が出ない定額働かせ放題なので、勤務時間を短くするように勤める工夫は必須ですね。

高校教師は1日5時間授業があるとヘトヘトだったけど、中学校ではそれが基本だったな
高校は赴任する学校によって、全く違う学校になります。
わかりやすく学業だけを見ても進学校から学業不振校まであって、商業化や工業化、定時制や通信制など、様々な学校の特色があって、同じ『高校』という括りでも、全く異なることが多くあります。
なので、赴任する学校によって、教師の求められる能力は大きく変わります。
例えば、高校教師として数学を教えることに生きがいを感じていた教師がいたとして、進学校で微分積分の授業を教える楽しみを感じていたとしても、学業不振校に赴任すると、ほとんど中学の数学を教えるようなことになりえるわけですね。
そうなると、「俺って高校の数学を教えるのが楽しかったのになあ…」といったことになりやすく、実際に僕の同僚でもこんな悩みを抱えていた教師がいました。
反対に学業不振校で勤めていて、生徒指導や生徒との関わりを楽しんでいた教師が、突然県内有数の進学校に赴任して、生徒の反応の薄さに「どうにも面白くない」と感じているケースもあったり。
定時制や通信制、工業化や商業科など、多様な学校がある高校は、赴任する学校によって求められる能力や仕事が異なってくることがありますね。

進学校でオラオラと上から目線で指導していた先生が、学業不振校に来て生徒とうまくコミュニケーションをとれずに不満そうにしていることをよく目にしました。

高校教師にも有給ってあるんですか?

もちろん、ありますよ!
有給も中学に比べてとりやすい印象があります。
働きやすさという観点では、高校教師は有給消化率が比較的高いです。
もちろん、部活動があるので有給なんて全然とれないよと嘆いている教師もいますが、例えばテスト期間中や長期休暇中は比較的有給がとりやすい環境になります。
定期試験中には1日休みがとれたり、午前で仕事を終えて帰宅するなんてこともしやすいので、計画的に休暇をとって、平日休みで旅行に行くなんてこともできましたよ!
お伝えしている通り、筆者のモグモグ先生は、中学校・高校・特別支援学校での教員経験があります。
そこで、高校教師の仕事や働き方を、中学や特別支援学校などの他校種の教師と比較してみます。
実際の勤務時間 | 生徒や教師との人間関係 | 保護者対応 | |
中学校 | 圧倒的に長い | 殺伐とすることも | 難しい |
高校 | 標準 | 良好になりやすい | 標準 |
特別支援学校 | 短い | 良い面・悪い面あり | 難しい場合も |
高校教師の勤務時間は、中学と比べては格段に短く、特別支援学校と比較しては少し長くなる傾向にあります。
理由は先ほど挙げたように、教員数が多いことで一人あたりの仕事量が少ないことや授業のコマ数が少ないことですね。
部活動があることで、特別支援学校よりも勤務時間は長い印象です。
高校教師は、仕事の忙しさに適度の余裕があるので、人間関係が築きやすい印象があります。
教師の人数も多いので閉塞感がなく、団塊の世代も引退してきていることから20代の若い世代の教師も多くなっていて、教師同士の仲が良くなりやすかったです。
高校教師は、中学や特別支援学校に比べて保護者対応が比較的優しいことが多いです。
保護者も小学校・中学校と経てきているので学校への免疫もあり、生徒も大きくなってきていることから中学校に比べても保護者の意見が強い方は少なかった印象です。
とはいえ、義務教育ではないことから生徒が退学するような案件や、問題行動が起こったときに保護者を学校へ呼ぶことがあって、そういった時に保護者から強い言葉をかけられるケースがあったりもしました。
中学教師の働き方って、どうなの?という疑問を知りたい方のために記事を書きました。
⇒『中学教師のリアルな働き方|中学教師ってどんな仕事?』をご覧ください。
特別支援学校教師の働き方って、どうなの?という疑問を知りたい方のために記事を書きました。
⇒『特別支援学校教師のリアルな働き方|特別支援学校教師ってどんな仕事?』をご覧ください。
高校教師はやりがいが大きく、働く環境も比較的整っていることが多い職場です。
とはいえ、教師の仕事は土日がないのが当たり前で、家族との時間をもっと過ごしたいという方や、そもそも教師の仕事はなんだか違う…と考えて、仕事を辞めるケースも少なからずあります。
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この記事では、高校教師のリアルな働き方をまとめてきました。
高校教師は学校業界の仲ではブラック化しにくい校種と言えます。
とはいえ、休日の部活動も受け持たなければいけないことも多く、土日休みをとれるか?と言われれば疑問をもつ職場とも言えます。
もちろん、教師の仕事なので定額働かせ放題ですし、『頑張っている教師ほど待遇が悪くなる』という悪循環はなくなりませんよね。

とはいえ、高校教師はやりがいも大きいのであなたが『教師の仕事』に熱狂しているならば、とてもいい職場と言えるでしょう。
ただ、1つだけ覚えておいてほしいのが、高校教師だけが「働く場所」ではないということ。
もし、高校教師に行き詰まっているならば、中学や特別支援学校など他校種への異動を強く希望してみるのも一つの手法です。
どうしても心が持たなければ、休職を考えるのも一つの方法です。
あなた自身の心を保ちながら、転職活動をしたって全く問題ないわけです。
高校教師のリアルな働き方を考えて、これからのあなたらしい人生を歩んでいってください!